2015年4月25日、首都カトマンズ周辺をM7.8、震度ⅸの大地震が襲った。多くの市民が被災し家を失い、いまだにテント生活を余儀なくされている。世界遺産に指定されたエリアの貴重な建造物も多数破壊された。上の写真は地震前のスワヤンブナートで、完全崩壊は免れたものの伽藍の姿は一変した。被災者の救援がまず第一だが、ネパール独特のこれら建造物の早期の修復・再建・復興を願ってやまない。
地震後も・・・
地震後の2015年秋、政治的圧力なのか、インドからのガソリン類の供給が滞り、市民生活をさらに苦しめた。復興を急ぐ市民感情を無視するかのような卑劣な行為と言わざるを得ない。(2016年に入ってようやく解決したようだ) また、「バンダ」と称するゼネストがいまだに不定期に実施されているらしく、問題に事欠かない国である。
いま、ポカラは・・・
大地震の影響で観光国ネパールを訪れる観光客は激減しているのに、中央ヒマラヤの玄関口として知られるネパール第二の都市、ポカラはここ数年ホテルの建設ラッシュである。地震の被害はなかったとはいえ観光客が減った現在、はたして採算がとれているのか心配である。そして今、このポカラに新たに空港を建設中で、2020年開港予定とのニュースを耳にした。更なる観光開発を目的として、ネパール政府が中国の資金援助で中国企業が作ることになったのである。近年のネパールを訪れる中国人観光客の数からして、なるほどとうなずける。同じ隣国のインドを意識した政治的な背景があるにしろ中国の国際進出はここでも実感できる。
新空港による利便性の向上は結構だが、過度な開発は正直やめて欲しいものである。ポカラは、街の中心部以外は本当にのどかで、ヒマラヤを望む最高の地であるから。(いち旅行者のエゴであることは承知しているつもりではあるが・・・)