憧れのゴレパ二・プーンヒルトレッキングに行ってきた。
ゴレパ二(2860m)は古くからの交易の道の宿場町。かつて「河口慧海」はこの峠を越えてチベットを目指した。
師の著書「チベット旅行記」によるとカトマンズからポカラを経てツクチェに行く際、このゴレパ二峠を越えたと考えられる。今はトレッカーが行きかうメインルートであるが当時は暗く寂しい山道であった。
… 私達は世に謂う深山幽谷というのは真にこういう所を言うのであろうというような恐ろしい深山幽谷の間を歩いて参りますと、カックー、カックーという杜鵑の声が幾度か聞こえます。「チベット旅行記」より
ヒマラヤの 樹の間岩間の 羊腸折り うらさびしきに 杜鵑鳴く 慧海
トレッキングを開始した前日は曇り空。願いが叶いこの日は晴天。疲れも寒さも忘れさせてくれる絶景が満喫できた。3210mのプーン・ヒルから望むヒマラヤの姿は神々しいというしかない。東からダウラギリⅠ、ニルギリサウス、ファング、アンナプルナⅠ、アンナプルナサウス、ヒウンチュリ,そしてマチャプチャレが聳える。
心配していた高山病もなくここまで来れたが、この後のコースは延々と続く雪の下り坂道。何度も転びながらもようやくこの日の宿泊地タダパ二(2630m)に着くことができた。率直な感想は「キツイ」の一言。・・・絶景が見れた代償は大きい。
トレッキング3日目はガンドルン(1940m)に泊まる。夜まで雪だったのが、翌朝昇る朝日がヒマラヤを照らし始めた。
ガンドルンを訪れるのは2回目。グルン族の住むこの地方最大の村である。ここでも伝統の古い民家が徐々に新しい家に変わっていくのが残念である。