2019.1月 河口慧海の足跡を求めて、Marpha,Jomsonを訪ねることにした
Marphaには慧海が約120年前に投宿した民家が今も「EKAI KAWAGUCHI’S HOME」として公開されているので今回はここを目指す。近くのJomsonまで空路も考えたが、敢えて時間のかかる陸路を選んだ。ポカラから四輪駆動車で7・8時間以上かかるが、カリガンダキ川に沿って東にアンナプルナ、西にダウラギリ、行く先にニルギリを望みながら行く絶景のルートである。
慧海師はJomsonからいよいよ国境のクン・ラ峠を越えてチベット入りを果たすのである。
途中のDanaはかつて日本の地質学者たちが数か年かけてヒマラヤの造山活動の仕組みを探ろうと測量をしたところである。(1980年のこと)また興味深いことは、このDanaの川床(標高1400m)から10Kmほど東にアンナプルナ・西にダウラギリの8000m級の高峰が連なるのである。もともとカリガンダキ川が北から南に流れるなか、長い年月をかけて少しずつヒマラヤが隆起(約5800万年前インドがユーラシアに衝突して)するのに対し川床は川の侵食作用で元の高さが保たれたからである。僅か10Km先に高低差が実に7000mもあるヒマラヤの高峰を仰ぎ見ることができるのである。こんな所は世界広しといえ滅多にないので是非この目で見たい。
今回の旅の主な目的は Marphaの河口慧海記念館で慧海を偲び、チベット仏教を肌で感じること、名産のアップルブランデーやチベットのバター茶を食すること。 Danaでは今も続くヒマラヤの造山活動を思うこと。 カリガンダキ川沿いに見えるアンナプルナ・ダウラギリ・ニルギリを撮影。 カトマンズ・ボダナートの夜景の撮影。 バクタプルのニャタポラ寺院の五重の塔越しにヒマラヤを撮ること。 バドガオン・ゲストハウスではネパール料理のダルバートとネパールの焼酎ロキシーを味わうこと。 等々・・
いざ行かん ヒマラヤの雪 踏み分けて 法の道説く 国のボーダー(チベット)に
明治32年1月5日 カルカッタにて慧海が詠んだ チベット行の決意を示す一首である。
いざ行かん ヒマラヤの峯 仰ぎ見つ チベットに続く 師の道辿る ネパ吉